青菜に塩(あおなにしお)
ほうれんそうなどの青菜に塩をかけると水分がなくなってやわらかくなりしおれてしまう。その様子を人に例えて急にしょんぼりと元気をなくしてしまう状態を言う。

足元から鳥が立つ(あしもとからとりがたつ)
突然足元から鳥が飛び立つように自分の近くで思いもしなかったことが起こること。また、急に思い付いたように慌てて物事をし始める様子のことも言う。

頭かくして尻かくさず(あたまかくしてしりかくさず)
きじが草むらに隠れようとするときに頭を隠すが、しっぽは見えたままになっていることから自分がやった悪いことや欠点などの一部始終をうまく隠したことでそれ以外も隠したつもりになっていること。

暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)
夏の暑さは秋の彼岸の頃までで、その後はだんだん涼しくなる。また、冬の寒さも春の彼岸の頃までで、その後はだんだん暖かくなってくる。彼岸を過ぎれば、過ごしやすい気候になると言うこと。

雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
雨が降ったあとは降る前よりもかえって地面が固まるように、大変なことや悪いことがあったあとには、何もなかった最初よりもかえって良い状態になると言うこと。

案ずるより産むがやすし(あんずるよりうむがやすし)
出産は実際にする前に心配しているほど、大変ではない。と言う意味から転じて、実行する前に心配していたことも実際にやってみると案外、簡単にできてしまうものだと言うこと。

石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
冷たい石の上でも三年もじっと座っていれば、暖かくなってくると言うことから、辛いことがあっても我慢して頑張っていれば、そのうちむくわれると言うこと。

急がば回れ(いそがばまわれ)
急いでいるときは、ちょっと危ないと思っても、ついつい近い道、早く終わる方法をとりたくなるが、それがかえって失敗のもとになる。時間がかかっても安全な道や方法を選ぶ方が結局は得になると言うこと。

一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)
物事の一部分だけを聞いただけで、聞いていないその他の部分まですべてわかってしまうこと。理解が早いこと。頭の良いことを言うときに使う。

一寸先は闇(いっすんさきはやみ)
進んでいる道の一寸(約3センチ)先には何があるのかわからず、真っ暗であると言うことから、将来や未来のことは、全くわからず予測がつかないものだと言うこと。

一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)
一寸ほどの虫でも五分(一寸の半分)ほどの大きな魂を持っていると言う意味から、小さくて弱いと思われるものでもそれなりの根性や気持ちがあるので、ばかにしてはいけないと言うこと。

犬も歩けば棒にあたる(いぬもあるけばぼうにあたる)
もとは、犬も出歩くから、理由なく棒でぶたれるのだと言うことから、積極的に物事をすると災難にあることも多いと言う意味だった。最近は、出歩いていれば、思いがけない幸運にあうと言う意味で多く使われる。

うそも方便(うそもほうべん)
うそをつくのは本当はいけないことだが、時と場合によっては、うそをついた方が良い結果になることもあると言う意味。「方便」はすべての人を仏の道に導くための、さまざまな手法・手段のこと。

鵜のまねをする烏(うのまねをするからす)
鵜は水にもぐって魚を捕まえる鳥。そんなことのできない烏が鵜の真似をしようとすれば、おぼれてしまうことから、人の真似をして、自分の能力以上のことをしようとして失敗してしまうことを言う。

馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)
馬にいくらありがたい念仏を聞かせても、そのありがたみが全くわからないことから、忠告や意見をしても全くききめがなく、無駄になること。

うわさをすれば影がさす(うわさをすればかげがさす)
人の噂話をしていると、そこにその本人が現れることがよくあると言うこと。うっかり人の悪口を言っていると、そのようなことがよく起こる。

得手に帆をあげる(えてにほをあげる)
帆船は風がないと動けないが、風が吹けば帆に風を受け、勢いよく進んで行く。そのことから、自分の得意なことをする良い機会が来たときにそれを逃さずに調子良く行うことを言う。

画にかいたもち(えにかいたもち)
絵に描いたもちは食べようとしても食べられない。そのことから、話の上だけで実際には全く役に立たないことや、本物でなければ、値打ちもないもののことを言う。

海老で鯛をつる(えびでたいをつる)
小さな海老で大きな鯛を釣るように、少しの努力や負担で多くの収穫を得ること。また、ほんの少しの贈り物でたくさんのお返しをもらうことも言う。

縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)
「縁の下」は家の床下のことで、普通の人の目につかない。人にはわからないところで、他の人のために頑張って力を尽くすことや、またそのようなことをしている人を言う。

鬼に金棒(おににかなぼう)
ただでさえ強い鬼が金棒を持ったらますます強くなる。同じように、もともと強いものに、さらに強力なものが加わってますます強くなることや良い条件に良いことが加わってさらに条件が良くなることを言う。

鬼のいぬ間の洗濯
ここでの「洗濯」は洋服を洗うことではなく、命の洗濯、つまり息抜きをすること。鬼のような自分がこわいと思っている人がいない間に気楽にくつろいで息抜きをすることを言う。

帯に短したすきに長し(おびにみじかしたすきにながし)
持っている布が帯を作るには短すぎ、たすきを作るには長すぎて、何も作れないと言うことから、物事が中途半端なために結局どうすることもできないこと。

おぼれる者はわらをもつかむ(おぼれるものはわらをもつかむ)
おぼれている人は助かりたい一心で、わらのように頼りないものにでもつかまろうとすることから、人はたいへん辛いとき、そこから逃れようとしてどんなものにでも頼ってしまうものだと言うこと。