大は小をかねる(だいはしょうをかねる)
大きい袋にはたくさんの物が入るし、また小さな袋の代わりとしても使える。そのように大きい物は大きい物として使える他に小さい物の代わりとしても使えることを言う。

宝の持ちぐされ(たからのもちぐされ)
いくら宝物を持っていても腐らせてしまっては意味がないと言うことから、役に立つものを持っていながら使わないこと。また、素晴らしい才能や能力を持っていてもうまく使えないことを言う。

立て板に水(たていたにみず)
立ててある板に水を流すと水は勢いよく下に流れ落ちる。そのように、舌の動きが滑らかで話し方が上手なこと。また、流れるように続けてものを言うこと。

旅は道連れ世は情け(たびはみちずれよはなさけ)
一人で旅をするのは、何かあったときのことを考えると不安なものだ。誰かが一緒なら不安な気持ちもなくなり楽しくなる。また、世の中を渡るのもお互い思いやりを持って助け合うのが良いと言うこと。

玉みがかざれば光なし(たまみがかざればひかりなし)
どんなに素材が良くても玉は磨かなければ光らない。同じように、いくら才能や能力があっても磨く努力をしなければ、素晴らしい才能や能力は生かされることがなく、立派な人にはなれないと言うこと。

ちりも積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
「ちり」は小さなゴミのこと。そのようなことでもたくさん集まれば、たいへんな量になる。同じようにとても小さい物でもたくさん集まれば、大きな物になるのでおろそかにしてはいけないと言うこと。

月とすっぽん(つきとすっぽん)
月もすっぽんも丸い形をしているところは似ているが、全く違うもの。そのように、二つのものが似ているところもあるが、実は全く違うもので、比べることができないほどの差があることを言う。

角をためて牛を殺す(つのをためてうしをころす)
「ためる」とは直すと言うこと。少しだけ曲がっている牛の角を真っ直ぐに直そうとして牛を殺してしまうことから、少しの欠点を直そうとして余計に物事を悪くしてしまうこと。

爪に火をともす(つめにひをともす)
昔は電気がなくロウソクや油に火をつけて明かりにした。そのロウソクや油を使わずに切った爪に火をつけ、明かりとする様子から、貧しい生活を送ること、節約すること。また、とてもケチなことを言う。

鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)
鉄は熱いうちなら形を変えられることから、人は年を取る前の素直な若いうちに大切なことを教育した方が良いと言うこと。また、何事も熱意のある時期を逃さずにやらないと成功しにくいと言うこと。

出る杭は打たれる(でるくいはうたれる)
一本だけ飛び出ている杭が目について打たれるように才能があって人より目立っている人は他の人から邪魔されやすいと言う意味と、でしゃばったことをすると責められ痛い目に合うと言う意味がある。

天に向かってつばを吐く(てんにむかってつばをはく)
空に向かってつばを吐いたらそのつばはそのまま自分の顔にかかる。そこから、他の人に何か悪いことをしようとして、結局それが自分自身の害となってしまうことを言う。

灯台もと暗し(とうだいもとくらし)
「灯台」は昔の明かりでロウソクや油を入れた皿をのせる台のこと。まわりは明るくなってもその真下は暗いことから、自分のすぐ近くのことは、かえってわかりずらいこと、全く気付かないことを言う。

遠い親戚より近くの他人(とおいしんせきよりちかくのたにん)
離れたところにいる親戚はなかなか行ったり来たりしにくいので縁遠くなる。何か急なことがあったときに力になってくれるのは遠くにいる親戚ではなく血の繋がりのない近所の人だと言うこと。

毒を以て毒を制す(どくをもってどくをせいす)
毒を取り除くにはどんな薬よりも毒を使った方が効果があると言うことから、悪いこと、悪い人をおさえるために悪いことや悪い人を使って取り除こうとすること。

所かわれば品かわる(ところかわればしなかわる)
場所が変われば同じ品物でも呼び方や使い方が違ってくると言うこと。また、その土地によってそれぞれ習慣・言葉・決まりなどが違いそれぞれの特色があると言うこと。

となりの花は赤い(となりのはなはあかい)
同じ花が咲いていても自分の家より隣の家の方がよりきれいに見えると言うことから、他の人のものが自分のものより良く見えること。また、他の人が持っている珍しいものを欲しがること。

鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)
「鳶」は平凡な鳥。「鷹」は立派な鳥のたとえ。平凡な鳶が立派な鷹を産むと言うことから、平凡な親が優れた子供を産むこと。また、親より子供が優れていることを言う。

らぬたぬきの皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう)
まだ捕まえてもいないのにタヌキの皮がいくらで売れるか考えると言うことから、あまり確かではないことに期待してそれから先のことを計画することを言う。

虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)
虎はとても強い動物。弱い狐がその虎の強さを利用して自分を強く見せようとすることから、他のものの強さに頼ってまるで自分が強くて偉いかのように行動することを言う。

泥棒を見て縄をなう(どろぼうをみてなわをなう)
泥棒を捕まえるためには縄が必要。その縄を泥棒を見てから作り始めることから、物事が起こってしまってから、その解決方法を考え出してもどうにもならず手遅れになってしまうこと。

どんぐりの背くらべ(どんぐりのせいくらべ)
どんぐりの大きさはどれもそれほど変わりなく同じようなもの。そのように大した差がなくどれも普通で特に目立って良いものがないときに使われることわざ。

飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)
炎の明るさに集まった虫が火の中に飛び込んで死んでしまう様子から、自分から進んで大変なことや苦労をしようとする態度を言う。